125キロの加速 ナツのオトメ1*
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『…リョーマくんて…テニス強い…?』
昨日の七星の不安そうな顔を思い出した…。
(あれはこのことだったのか…?)
キッ…とした表情で、立海大の真田を見つめる越前リョーマ。
(相手が誰でも関係ない。お前を不安にさせる奴は、全部俺が倒してやるから…心配すんな)
「…約束…してくれる?…時々でいいから、これからもこうして…俺と逢って欲しい…」
七星の髪から頬に指を滑らせながら、幸村は言った。
「ほわ~あれが部長の…」
物陰から、七星と幸村のやり取りを覗き見る切原赤也。
「そ。思ったより可愛い子だろぃ?」
丸井がガムをふくらませた後、ポケットを探った。
「やべ…」
「どーしました?」
「…ガムがない…」
「…ご愁傷さま」
「…あの子、ガム持ってねぇかな…」
「そんな上手くいかないっすよ。けど、もし持ってたらどーします?」
ニヤ…と赤也が笑う。
「…幸村くんからかすめ取ろうかな…」
「…マジっすか…?」
ちょっと驚いた顔でブン太を見る。
「昨日見た時から気になってたし…」
七星から視線を外さず答える。
(…ガムで部長と張り合うのか…? まぁ…この人なら食べ物くれる女の子なら、簡単について行きそうだし…)
赤也は、バカバカしいな…と思いながらもう一度七星を見た。
「七星さん…」
幸村さんはあたしの頬で手を止めて、親指だけで頬をそっと撫でる…。
「……」
恥ずかしさがこみ上げて、まともに幸村さんを見られない…。
(でも、約束しないと…幸村さんはあたしを離してくれない…よね)
『万策尽きる』…ってほど大袈裟じゃないけど、あたしはこの状態から早く解放されたくて…うなずいた。
「…約束してくれる…? よかった」
ホッと安心して嬉しそうな幸村さんの声を聞いた。
「…あの、ほんとにテニス部には…」
確かめるように、あたしは幸村さんを見上げた。
「大丈夫だよ。練習試合だけだし、立海としても青学と試合が出来ることは大変いいことだからね」
穏やかな笑顔が、少しあたしを安心させた。
「じゃ…名残惜しいけど…今度は俺からメールするよ。それじゃ」
あたしに軽く手を振ると、幸村さんは、テニスコートに戻って行った。
(ふぅ……)
息を吐いたら、力が抜けた…。
「ねぇ、ガム持ってない?」