125キロの加速 ナツのオトメ1*
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「は? 何やて?早退した?具合でも悪ぅなってん?」
テニス部の部室で、着替えながら忍足侑士は、隣にいた鳳長太郎に聞いた。
「いえ、何だか落し物を拾ったとかで学校まで届けるって、言ってました」
「わざわざ?早退して?部活休んで?…そら女や。めっちゃ可愛ぇ女の子の落し物やな」
うんうんとうなずきながら忍足は言った。
「そうでしょうか?単なる親切心かもしれませんよ?」
「ない。郵送でも、交番に届けるでもええねん。それをわざわざ届けるんやで。可愛ぇ女の子以外に目的はあらへん」
キッパリ言い切る忍足に
「ははは…」
と鳳は力なく笑う。
(どっちなんだよ…日吉)
「日吉じゃん氷帝の。何で七星ちゃんを呼び出すわけ?」
不二を振り返り、疑問符だらけになる英二。
どうやら、七星呼び出しの放送を聞いて偵察に来たようだ。
(…昨日の落し物…ってことは、僕が帰った後だね?ふふ…やっぱり君、何かしたね…。ルドルフ、立海大、氷帝…凄いよ。七星ちゃん。ほんとに君は僕を退屈させない)
不二は、目を光らせ油断なく日吉に視線を走らせる。
「あ、俺は日吉若。氷帝学園中等部の2年なんだ」
軽く会釈をする。
「あ、あたしは…ご存じでしょうが高寺七星です」
あたしは深くお辞儀をした。
「七星さん、もしよかったら、これからも俺と会ってもらえないかい?」
爽やかに微笑むと、日吉さんはあたしを見つめてそう言った。
「え…?」
昨日からの連続攻撃であたしは、どうすればいいのか困ってしまった。
「それは困るな」
いきなりあたしの後ろから声がしたと思ったら、肩に手が乗り、声の主に抱き寄せられた。
「手塚さん…!?」
日吉は驚いて、七星を抱き寄せた青学テニス部部長、手塚国光を凝視した。
「なっ!てっ…手塚!いきなり七星ちゃんに何するんだよ~っ」
(手塚…!しまった…先を越されたか…僕が出て行こうとしたのに)
柱の陰から新たな登場人物を見つめる二人。
「…困る…って、まさか手塚さんの彼女だとでも言うんですか?」
軽く睨むように手塚を見る日吉。
「そうだ。だから、手出し無用に願いたい」
じろ…と手塚も日吉を睨む。
「…そうですか。でも俺はそれぐらいの障害じゃあきらめないですよ」
ニヤリと笑う。