125キロの加速 ナツのオトメ1*
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「…え?」
あたしは声のした方へ振り向いた。
「リョーマくん!?」
驚いた顔で、こっちを見ているリョーマくんと目が合った。
「七星も出かけてたのか?」
あたしの隣に並ぶと、そう聞いて来た。
「う…うん、ちょっと遊園地に」
「へぇ…面白かったか?」
何の疑問も持たずにリョーマくんは、聞いてくる。
「ん~まぁまぁかな…。ちょっと疲れちゃった」
あたしは正直に言った。
「まぁ、並んだりするし、それは疲れるだろ」
リョーマくんも普通の答えを返してくる。
「…リョーマくんて…テニス強い…?」
あたしは、千石さんの言葉が胸にのしかかって仕方がないので、思い切って問いかけた。
「…そりゃ…強いけど?…どうしたんだ?急に…」
少し怪訝そうな顔をして、あたしを見ながら答えてくれた。
「そう、ならよかった…」
あたしは安心して、我ながらかなりホッとした表情をしたと思う。
「…また何かやらかしたか…?」
横目でチラ…と、リョーマくんはあたしを見た。
「……かもしれない」
あたしは、ちょっと申し訳ない感じで、身を縮めた。
「…かも?…かもって何だよ?かもって。七星のことだ、どうせロクでもないことだろ?」
リョーマくん、やや呆れ気味に言ってくれる。
「…多分」
あたしは認めるしかない。
いつもはあたしが食ってかかるのに、おとなしく認めたから、リョーマくんも『あれ…』と言う顔をした。でも何も言って来なかった。
「…手」
「え…?」
改札口を出ると、リョーマくんが、あたしに手を差し出した。
(あ…)
あたしはまた、リョーマくんの手に自分の手をそっと重ねた…。リョーマくんもまた、きゅ…と力を入れた。
手をつないで並んで帰る。
まだ慣れないから、恥ずかしい…。言葉も少なくなる。
「遊園地…」
「え…?」
「今度…二人で行こうか…?」
リョーマくんは、いつもの調子でボソ…とあたしを見ずに言った。
「…うん…」
あたしも地面を見ながら答えた。…きっと今日より楽しいはず…。
あたしはそう思った。
「ありがとう」
家の前までリョーマくんが送ってくれた。
『おやすみ』を言って、家に入ろうとしたら
「ちょっと…」
と、リョーマくんがまだつないでいた手を引き留めて、あたしを引っ張った。
「…え?」
振り向いた瞬間…頬にリョーマくんの唇を感じた…。
「─!?」
びっくりした…。