125キロの加速 ナツのオトメ1*
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「…少し話さない?」
近くのベンチを指して、幸村さんが言ったのであたしはうなずいた。
(とにかく何だか…誤解を解かないと)
「不二はどうしたの?」
幸村さんも、聞いて来た。
う…まただ。
「さ…先に帰りました。それから…あの、不二先輩はあたしの彼氏ではありませんので…何だか誤解されてたみたいですけど」
チラ…と幸村さんの顔を見て言ったら
「…本当?」
幸村さんの笑顔が明るくなり、何だか嬉しそうに見えた。
「今日は俺の退院祝いで、部員の皆が集まってくれたんだ」
「入院されていたんですか?」
あたしは驚いて幸村さんを見た。
(そう言えば病み上がり…って真田さんが…)
あたしも、自分が事故で半年近く入院していたことを思い出して
「入院は…大変ですよね」
ポツリと言った。
「七星さんも…?」
「ええ、ちょっと」
「そうだったんだ…でも今日は君に会えてよかった。あ、そうだ。これ俺の携帯の番号とアドレス…」
幸村さんはメモをあたしに渡すと
「毎日…とは言わないけど、時々メールくれるかな…?じゃないと…青学のテニス部にケンカ売りに行くかも…」
「ええ!?」
焦るあたしを見て
「ふふ…冗談だよ。でも待ってるから…」
幸村さんは穏やかに笑ったけど…
(本気かもしれない)
立海大のテニス部が、どれくらい強いのかあたしには全然わからない…。
手塚先輩に聞いたら、リョーマくんが怒るのかな…。
あぁ…もう、あたしはどうすればいいんだか…。
思わずため息をついたら
「疲れた?」
少し心配そうに、幸村さんがあたしに言った。
「え…あ、かもしれません」
正直に言ってしまった。
「じゃ 今日はもう帰って休んだ方がいいね。真田には言っておくから」
笑って幸村さんは、あたしを出口まで送ってくれた。
「ふぅ…」
出口を出たとたん、どっと疲れた気がした。
(一日で色んなことありすぎよ)
力が抜けたまま下を向いて歩いていたせいか…思い切りまたやっちゃいました。
「─とっ、あっ!」
「─えっ、きゃっ」
どっかりと人にぶつかったら、頭の上からたこ焼きが降って来た…。
「…あちゃ~アンラッキー」
「ごっ…ごめんなさい!」
(きゃ~3回目だよ、も~最悪~ホントにアンラッキー)
「いや…こっちも前方不注意…」
男の人は言いかけて、あたしをジロジロ見た。
「大ラッキーじゃん」
「…は?」