125キロの加速 ナツのオトメ1*
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「…お前はさっきの…」
「え?」
ひと通り園内を見て、そろそろ隣の公園へ行こうか…と思っていた矢先、声をかけられた。
背の高い、帽子かぶった…。
歴史に出て来る…。
そうだ、二人で一人の…。
「真田さん!」
あたしは思い出して、くす…と笑いながら真田さんを指差した。
「…何がおかしい?」
ちょっとムッ…とした感じがしたので、あわててあたしは説明した。
「ごめんなさい。さっきの方とお名前が小説の主人公で歴史上の有名人と一緒だったからつい…」
「小説…てあれか」
「はい。『真田太平記』の真田幸村」
「…読んだのか?」
「ええ」
「中1にしては渋くないか?」
「かもしれません」
あたしはふふっと笑った。
「真田、何やってんだ。そろそろ移動するって…誰その子?」
ガムをふくらませながら、真田さんのお友達らしき人がやって来た。
「ああ、今行く…」
言いながら、真田さんは辺りを見回し
「不二はどうした?」
とあたしに聞いて来た。
「あ、不二先輩はお家のご用で先に帰りました」
「…一緒に帰らなかったのか?」
「ええ、まだ見たい物がありましたから」
「…?…不二と付き合っているのだろう?」
「ちっ…違います!ただの先輩です!」
あたしはびっくりして否定した。
「…ふぅん」
「なぁ、真田ってばこの子誰なのさ。やたら親しげだけど…」
あたしをチラチラ見ながら、ガム少年は真田さんに聞いている。
「幸村の彼女」
「いっ?」
「…え?」
「不二がいないなら、来ないか? 俺達今日は、幸村のちょっとした祝い事で集まっているんだ。帰りはちゃんと送るから心配は無用だ」
真田さんがそう言ってくれたけど…あの幸村さんの彼女…って…一体どういう展開ですか?
「…七星さん?」
「…え?」
振り返ると、幸村さんが驚いた顔して立っていた。
「精市の彼女…?」
「ほぅ…なかなか可愛いぜよ」
「幸村くん、いつの間に」
「こっそり会いに来たらしいぞ」
「ほらお前達行くぞ!移動だ。騒ぐな」
真田さんがひと声かけると、いつの間にか集まっていた数人の男子達が、ピタリと静まり
「では、先に行ってるぞ」
真田さんは振り返ると、皆を連れてさっさと行ってしまった。
(え…あの?真田さん?あたしにどうしろと?)
「ふふ…強引だね、真田は」
幸村さんはあたしの隣に来ると、笑ってそう言った。