125キロの加速 ナツのオトメ1*
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「ふん、まぁ…謝り方は潔かったな。悪びれないし」
「でしょ?」
くす…と笑うと 七星がソフトクリームを持って歩く姿を見つめた。
「真田はそこにいて。あの危なっかしい女の子を、目的地まで送って来るから」
そう言うと、幸村は七星に足を向けた。
「おい待てよ、幸村。お前が人の心配をしてどうするのだ」
苦虫を噛み潰したような表情で、仕方なく幸村を追う真田。
「─えっ…!?」
驚いたのは不二だ。
思わずベンチから立ち上がって、七星の横につき従う二人の男に意識を集中させた。
(七星ちゃん! 君は一体誰を連れて来たんだい…!)
「不二…周助か? 青学の」
声をかけたのは、真田弦一郎が先だった。いぶかしげにベンチから立ち上がった不二を見る。
「ああ…よろしく。立海大の真田弦一郎くん」
不二の目が開き、挑戦的に光る。
「じゃ、彼女も青学なんだね? あ…ならこれは君の分かな、はい」
七星の代わりに持っていたソフトクリームを不二に手渡すと
「幸村精市です。せっかくのデートの邪魔をしてしまいそうだから、俺達はこれで失礼するよ。え…と」
七星を見て、まだ名前を聞いていなかったことを思い出す。
「あ…失礼しました。高寺と申します。高寺七星…青学の1年です」
あわてたように幸村にお辞儀をした。
「そう、素敵な名前だね。じゃ、またいつかどこかで会えたらいいね、七星さん」
穏やかな微笑みで七星に手を振ると 真田と共にその場から立ち去った。
「ふぅ…」
緊張の糸をほどき、ベンチに座る不二。
(さすが王者立海大と言われるだけのことはある。油断出来ないね。あの真田は…しかし、幸村…あの立海大を率いる部長…侮れないな。優しげなくせに、凄い威圧感だ…)
内にふつふつと闘志を燃やす不二を見て
「ご…ごめんなさい先輩。まずい人を連れて来たみたいで…」
「え…? なぜそう思うの?」
「先輩があのお二人を見たとたん、戦闘態勢に入ったように感じたんです。丁度毛を逆立てた猫みたいに…」
(まったく…恋愛には鈍いのに、その他は異様に勘が働く…ホントに一筋縄ではいかないね。君は)
くくっ…と不二が笑った。
「でもどうして、あの二人と? 七星ちゃんが、立海大に知り合いがいるとは思えないんだけどな?」