125キロの加速 ナツのオトメ1*
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「夏休み…テニス部って合宿とかするの?」
あたしは、ちょっとウキウキしてリョーマくんに話しかけた。
「いや…まだ聞いてないけど…するんじゃないかな。何か英二先輩達がそんなこと言ってた気がする」
あたしに視線を向けて、リョーマくんは言った。
「あたしも…天文同好会で八ヶ岳の方へ行くんだよ」
「へぇ…そうか。よかったな」
「うん、今から楽しみなの。きっと満天の星が見られる」
はしゃぐあたしに、リョーマくんが笑った気がした。
─翌日昼休みの図書室
あたしはかなり考えている。『カラマーゾフの兄弟』…が読み進まないのは、まぁ置いといて…。
(仕方ない、借りて、持ち歩いて、学校と家で読もう)
不二先輩をどう誘い出すか…を思案している。
あの件で3年女子には顔がバレてるから、先輩の教室には行けないし、テニス部の誰かにお願いしたら、リョーマくんに知れるし…。
(何か怒りそうだし)
ちゃんとお礼したいのに…どうしよう。
「気が散漫だな」
また上から声が降って来た。
「手塚先輩…」
「読んでいるのか?」
一応ページを開いている『カラマーゾフの兄弟』を指差して先輩は言う。
「あはは。まだ10ページくらいです」
苦笑いしてあたしは答えた。
「そうか。まぁ、頑張れ。それで…少し聞きたいことがあるんだが…」
手塚先輩が真面目な顔であたしを見るから、あたしも居住まいを正した。
「…昨日、聞きそびれたんだ。お前は不二に抱き上げられて廊下を歩いていた…どうしてそうなったんだ…?俺は、お前の口からちゃんと聞きたいと思ってね」
「あ…あれは…」
あたしはまた、事の経緯を説明した。
「そうだったのか…不二の奴、さては演出したな…」
手塚先輩はつぶやくと
「今度走りたくなったら、俺の目の届く所で走ってくれないか?」
目が優しげに変わるとそう言った。
(…何だかリョーマくんと同じこと言ってません?)
あたしって…よっぽど頼りない…てか信用がない?何か…考えちゃうなぁ~。
ちょっとため息をついて…気がついた。
今 手塚先輩いるから…聞いちゃおうかな…リョーマくんはダメ…って言うけど、あたしは知りたいし…。
何度もチラチラ手塚先輩を見ていたみたい。
「どうした?」
手塚先輩の方から聞かれてしまった。
「あの…ちょっと知りたいことがあるんです。教えて頂けますか?」
あたしは、切り出した。
「何だ?」