125キロの加速 ナツのオトメ1*
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やっと保健室に着いた。
屋上から1階までがこんなに遠く感じたのは初めて。
「ふ~」
大きく息を吐くと、あたしは泳ぐようにベッドに転がった。
「じゃね、七星ちゃん。無理しなくていいけど、大丈夫そうなら放課後見に来てね」
「あ…はい。あの…ありがとうございました」
焦って体を起こすと、先輩にお礼を言った。
「ふふ…気にしないで。君のためなら、いつでもどこでも助けに行くから、呼んでね」
いつもの笑顔で手を振ると、先輩は保健室を後にした。
「あらあら、素敵な王子様ね~」
保健の先生が日誌に書きながら笑う。
「や…ち…違います。たまたまですから~」
うん、ホントにたまたま不二先輩が屋上に来たから…。
─もし…先輩が屋上に来なかったら…?あたしはこの時間、今も一人で屋上に転がっているはず…。
そう考えたら、不二先輩には、もっとちゃんとお礼をしなきゃ…と思った。
──噂話はマッハで駆け抜けた──
6時間目から急にクラス(特に女子)が騒がしくなった。
ここ、1年2組も例外ではなく、あちこちで女子のヒソヒソ声、小さくたたまれたメモ用紙が飛びかう。
(何なんだよ…。さっきからいきなり…)
越前リョーマは、うるさいな…と思いつつ騒ぎの原因をぼんやりと思い返した。
さっき…5時間目の休み時間、どこかのクラスの女子が教室に飛び込んで来て、その子が何か言ったら、ひとかたまりになった女子から悲鳴と叫び声が沸き上がったんだよな…。
何て言ったっけ…。
あ…そうだ。
『3年の不二先輩が、彼女を抱き上げて歩いてた』…だ。
『抱き合ってキスしてた』…とも言ってたな。
「ふぁ…」
アクビを噛み殺しながら、不二先輩が彼女とどうしようが関係ないよ…。それより授業早く終わらないかな…と思うリョーマだった。