125キロの加速 ナツのオトメ1*
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校庭や廊下から聞こえていたさざめきが静まると、不二先輩はあたしに言った。
「え…?だ…大丈夫です。放っといても、時間が経てば筋肉の緊張もほどけて、動きだしますから」
「僕が心配なんだ。だから…いい?」
そう言うと、あたしの背中に回した手の片方をはずすと、すぅっと両膝の後ろに滑りこませた。とたん…あたしの体は宙に浮いた。
「きゃっ…」
びっくりしたあたしは、今度は不二先輩の首に腕を回してしがみついてしまった。
「軽いね。七星ちゃん」
くすくす笑って、不二先輩はあたしを見た…ヤバイくらいの至近距離で…。
ぐはっ!こっ…これは…もしかして『お姫様抱っこ』じゃないですか!
不二先輩は涼しい顔をして、あたしを抱き上げたまま優雅に歩き出した。
…お姫様抱っこ…って、顔を逸らせられない…
必ず先輩から見えてしまう…どんな顔をすればいいのか、見当もつかないけど、今のあたしは、一歩も歩けないから、先輩には逆らえない。おとなしく先輩にしがみついて、保健室に…
(保健室に…向かってます?不二先輩。なぜ3年生の教室のある廊下をわざわざ通るんですか~っ?)