125キロの加速 ナツのオトメ1*
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…でも仕方ない。自分の言ったことには責任取らなきゃ。
あたしは口を開いた。
「…部長さんが、自分を痛めつけているように見えたからです」
「…何だと…?」
「部長さん、時々ヒジが痛そうなのに、わざと痛めるようなことしてる気もします」
「………」
「それと…」
チラ…と部長さんを見上げたら、じっとあたしを見ている部長さんの目と合ってしまったので、あわてて視線を逸らした。
「それと…?」
部長さんが、まったく気にせず話の先を促す。
「負けたがっている」
「──!!」
「自分を倒してくれる、強い相手を待っている」
…手塚は、この小柄な少女にどう切り返すべきか、適切な言葉が浮かばなかった。
初めて言われた。『勝つ』ことしか考えていないはずなのに…なぜ『負けたい』なのだ…?そして、なぜそれを聞き返せないのだ?
(俺としたことが…)
「テニスって、相手と向かい合って戦えるんですね」
「……?」
唐突に話が飛んだ。しかも今さら…というくらいの、質問にもならない当たり前のことを言い出した。
「短距離は、自分の前に相手の背中をみたら負けです」