125キロの加速 ナツのオトメ1*
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「ホントのこと言うとね、僕が七星ちゃんと一緒にいたいんだ」
「え…」
照れます、あたし。
「送らせてほしいんだ…いいかな?」
あたしの顔を至近距離で覗き込むと、じい…と開いた目で見つめて来る…。
(ひわわ…不二先輩、目があったんですね…じゃなくて、綺麗な男の人にこんなこと言われるなんて…初めてです。もしや、これって「殺し文句」ですか?)
「いいかな?」
もう一度、不二先輩がじっと揺れる眼差しで言うものだから思わず
「お…お願いします」
と頭を下げてしまった。
これが目ヂカラってものかしら…。だよね、一瞬あたし蛇に睨まれたカエルっぽかったし…。
「よかった。ありがとう。じゃ行こうか?」
不二先輩がいつもの表情に戻ると、あたしに並んで穏やかに微笑む。あたしも催眠術にかかったような硬直状態からほぐれて、ようやく一歩を踏み出した。
(…大人よね、不二先輩。ちゃんと女の子に合わせてくれる…。さっさと行っちゃうリョーマとは大違いだわ)
不二先輩と並んで歩くと、リョーマくんへの腹立たしさによけい拍車がかかった。
「あ~不二の奴ぅ~。オレの七星ちゃんに~」
結局菊丸と大石の二人は、不二の行動が気になり、尾行を続けている。
「…別に七星ちゃんは、英二とつき合ってるわけじゃないだろ?」
と、大石に言われても
「可愛い女の子ちゃんは、オレのモノなの。大石だって七星ちゃん、可愛い~って思うだろ~?」
全然めげない。バイタリティー高し、菊丸英二。
「そりゃ…普通の子に比べれば、かなり可愛い…とは思うけど」
「ええっ?大石までそう思うんだ?」
びっくりした顔で、菊丸が大石を見ると
「なっ…何だよ!そっちが聞くから答えたのに…驚くことないだろ?」
ちょっと焦って答える大石の意外に可愛い姿があった。
「綺麗な色…」
「…え?」
翌日の昼休み、あたしは廊下ですれ違った上級生が手に下げていた、2リットル入りのペットボトルの中身を見てそう思ったので、つい口に出して言ってしまった。
「綺麗…?」
上級生が足を止めて、あたしとボトルを交互に見つめるから、仕方なくあたしもその場に止まると…
「どうして綺麗って思うんだい?」
上級生はあたしに聞いて来た。
「え…空の色だから…紺碧の…」