125キロの加速 ハルのオトメ*
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でも、一生懸命言葉を選ぼうとしてくれるのがわかる。
「大丈夫…普通にゆっくりなら少し長く走れるから…ただ、あたしは陸上で世界を目指したかったから…」
急に涙がこぼれた。
あきらめた夢だった…。
リョーマくんは驚いて目を見開いたけど…何にも言わずに黙ってあたしの肩に手を置いた。
ちょっと、気持ちが明るくなった気がした。
涙を拭いて空を見上げるとリョーマくんに聞いた。
「ね、北斗七星…知ってるでしょ?」
「あ…うん」
いきなり話題が変わったので、ちょっと戸惑ったみたいだけど、あたしは続けた。
「その北斗七星の柄から延ばした先にあるのがアルクトゥルス。その先にあるのがスピカ」
「あ…スピカは聞いたことある」
いつもより少し笑顔が優しく見える。
「…で、アルクトゥルスとスピカは夫婦星って呼ばれてるんだけど…アルクトゥルスは秒速125kmでスピカの方へ移動してるの」
「び…秒速?」
またびっくりした顔であたしの顔を見たけど、目が合うとあわてて逸らして
「時速ならテニスでも簡単に出せる数字だけど…」
「そうなんだ。テニスも凄いね。あたし全然詳しくないから…」