125キロの加速 ハルのオトメ*
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「あれ、あの子…」
「ん?何、不二。誰かいたの?」
移動教室に向かう途中、菊丸と並んで歩いていた不二が何かに目を止めた。
「ほら、あの子」
グラウンドを走る体育の授業中…と思われるたくさんの生徒達をぽつんと一人、木陰から見ている女生徒。
「あ、おチビのカノジョ!」
「具合でも悪いのかな?いや…それなら保健室の世話になるな…」
「…病気とか?」
遠慮がちに菊丸がつぶやく。
「練習を見に来る限りは元気そうだけどね」
ちょっと引っかかりを残しながらも、移動教室へと足を向ける菊丸と不二。
「お疲れ様、春菜」
ふい~っと大きく息を吐いてグラウンドにへたり込む春菜にタオルを渡す。
「ありがと…」
息も絶え絶え…という感じで汗を拭くと、
「暑~、お水飲んでくる~」
と、水飲み場へ直行する春菜の後ろ姿を羨ましげに見つめ小さくため息をつく七星。
─今日はテニス部の練習がない。
部活をしてない春菜は、さっさと帰ってしまった。
あたしは何となく空を見たくて、屋上へ上がった。
「あー…気持ちいい~」
首筋を撫でるように吹きすぎる風。