125キロの加速 ハルのオトメ*
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「ちょっと待ってよ。それじゃ女の子は、みんなテニス部の男子に惚れなきゃいけないみたいじゃない」
少し呆れながらあたしは春菜に言った。
「あら、それが普通よ。テニス部見学した女の子は ほとんど一目惚れしてるってば」
笑って春菜は言うけど…
何ソレ。普通じゃないと思う。現にあたしは…
(え…ソレって、あたしが普通の乙女じゃないって暗に言われてるだけ…?)
「じゃ また明日ね~」
目が点になったままのあたしを残して、春菜はさっさと自分の家の玄関に入って行った。
「わ…綺麗…」
シャーペンの替え芯がないことに気づき、あわててコンビニに買いに出た帰り、すっかり薄暗くなった夜空にくっきりとした満月が昇っていた。
上空は風があるらしく、真ん丸な月に雲がかかったり晴れたりしていくのが楽しくて、上を見上げたまま歩いていたら…
どんっ!
「─げっ!」
「きゃっ!」
あたしは思わずしりもちをついた。
「…ってーッ…」
薄暗がりの向こうから痛そうな声が…。
「ごっごめんなさい!」
あわてて声のする方へ顔を向けると
「…あれ、何だ。またあんた…」