125キロの加速 ナツのオトメ5
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「会社って大変なんだな」
慌てて北海道の空港から飛行機に乗ったであろう父の姿を想像した。
「でも、なんでお父さんの出張先にあたしとお母さんも行くの?」
父親の会社関係とはいえ、それはあくまでも父の仕事であって家族は何も関わりはないはずだ。
首をひねる七星に
「先方の取引先の都合で打ち合わせやプレゼンの日にちが取れなくて、三日も間にお休みが入ってしまうんですって」
母がおやつの用意をしながら説明してくれた。
「でね、お父さんもせっかくの休みだから観光する気でいるんだけど、三日も一人だとつまらないからお母さんと七星も来るか、ですって」
ナイスタイミングだ!
あたしはそう思った。
「行きたい!」
ちょうど予定の三日間、しかも想定以上の遠方だ。家族旅行に口出しは誰もするまい。
ウキウキ気分でリョーマくんに提案のお礼と、ピッタリの日にちで旅行に出かけられる事になったと伝えた。
『へえ、それは偶然にしても凄いタイミングだね』
「でしょ? ホントびっくりだよ」
『で、どこ行くって』
「九州!」
『……九州?』
あたしの答えにリョーマくんはちょっとだけ、眉をひそめたような声音になった。
「どうかした?」
『もう忘れてるわけ?』
「うん?」
『見送り、行ってるでしょ』
見送り? 九州……
「あっ!」
『思い出した?』
そうだった。手塚先輩の現在地、しっかり九州でしたね。
『まあ、まさか広い九州でバッタリ出会うとは思わないけど』
「うん」
ですよねー。手塚先輩も九州としか言ってないし、療養目的なんだから毎日リハビリやトレーニングで時間取られるし、観光地になんて行くはずない。
よし、大丈夫。
あたしはそう結論を出した。