125キロの加速 ナツのオトメ5
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「リョーマくん」
「なに、随分壮大な悩みでもあるわけ?」
隣に座ったリョーマくんは、近くの自販機で買ったらしい炭酸飲料のプルタブを開けるとそのまま一口飲んだ。
「壮大ではない、かな」
そもそも悩みなのかもわからない。
「人間関係の煩雑さ、という感じ」
「ふーん」
なにそれ、という顔をしたけどそれ以上特に何も聞かれず、手にした缶を空にしたリョーマくんは立ち上がった。
「さ、帰ろう」
「あ、うん」
フェンスの中のベンチ付近では、まだインタビューや撮影が続いている様子が見える。
「いいの?」
「不二先輩や乾先輩が引き受けてくれてるから。それに桃先輩も張り切って答えてるし」
あたしの心配をよそにリョーマくんは空き缶を自販機横のごみ箱に入れると、チラリと見ただけで半歩前を歩きだした。
「あのさ」
「うん?」
前を向いたままリョーマくんが口を開いた。
「全国までの間って予定とかあんの?」
「全国って全国大会?」
「そ」
そういえば、全国大会の日程なんて知らないや。いつも試合は春菜が誘ってくれるから、任せっきりになってる。
「ごめん、全国大会っていつ?」
もしかしたら知ってないのはまずいかな……と思いそっとリョーマくんを見たら、リョーマくんもチラッとあたしを見た。
「……8月17日から」
「17日か、まだ結構あるんだね」
あたしはバッグからスケジュール帳を取り出すとページを開いた。
「お盆休みは両親と帰省予定だけど、それ以外は今のところないかな」
「ふーん」
ともう一度リョーマくんが言うと、開いたページの日付を指差した。
「この日とこの日」
「うん」
「出掛けてくれない?」
「は?」