125キロの加速 ナツのオトメ2*
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懐中電灯が、頼りなげなおぼろな輪を暗い夜道に作った。
「全然明るくないな、あの懐中電灯。大丈夫かな」
大石が、宿舎から遠去かる灯りを見送りながら言った。
「明るくないと…くっつくよね、手塚と七星ちゃん」
菊丸が絶望的な声を出す。
「仕方ないだろ。暗い夜道で七星ちゃんがつまづいたら…」
河村が言う。
「ふふ…手塚がつまづいて眼鏡落としたら、最悪だよね」
「不二ーーっ!!」
「真っ暗…」
街灯もないし、道路は舗装されてないし、カエルはうるさいし、虫は大合唱だし…。
あたしは思わず立ち止まり、空を見上げた。
星が光り輝く。
「そら、危ないからもっとこっちへ…」
手塚先輩に肩を抱き寄せられた。
「す…すみません」
恥ずかしいけど、何かに掴まらないと足元が頼りない。あたしは手塚先輩の背中と胸元のシャツを、それぞれ掴んだ。ほとんど手塚先輩にしがみつく格好だ。こんなこと、人目のない夜道でもなきゃ出来やしない…。
今度は手塚先輩が立ち止まる。
「先輩…?」
どうしたのかと思って、あたしは先輩を見上げた。
すると…ふわ…っと手塚先輩に包み込まれた。
「…え…」
「しばらくこのまま…いさせてくれないか…」