125キロの加速 ナツのオトメ5
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「これ可愛い」
お土産を扱うショップで小さな飛行機の付いたストラップを見つけた。
「気に入ったのか?」
「はい、あ、他のもある」
いくつかある飛行機を取り出し、どれにしようか迷っていると、
「一番気に入ったのと、二番目のを選んでくれ」
横から覗き込みながら先輩が言った。
「え……と、これとこれ、かな」
最終的にどちらにしようか決めかねた二つを先輩に見せると、先輩はあたしの手元からそれを取りレジへ行ってしまった。
「え?」
戻った先輩がそのストラップをあたしに差し出した。
「……?」
「今日来てくれた礼だ。ひとつを持っていてくれないか」
「え、いいんですか?」
「ああ」
好きなほうを取っていいと言われたけれど、やっぱり迷って、結局最初に見つけた物にした。
無駄に時間をかけてしまい、搭乗時間ギリギリになってしまった。
「すみません、先輩」
「気にするな、大丈夫だ」
急ぎ足で先輩と並ぶあたしに、先輩は歩幅と同じようにゆったりと微笑んでくれた。
「一日の報告でも、他愛ない事でも構わないから、メールかさっきのように電話を貰えると嬉しい」
入り口前で先輩が不意に思いついたようにあたしに言った。
「わかりました。あ、それなら先輩からは写真を送って頂けますか? あたし、九州はまだ一度も行ったことがないんです」
「ああ、送ろう」
そう言うと先輩は軽く手を振り搭乗口へと入って行った。