125キロの加速 ナツのオトメ5
空欄の場合は夢小説設定になります
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翌日、手塚先輩に言われた時刻より少し早めに着くよう家を出た。
空港なんて来るのは初めてだ。
案内図を頼りに出発ロビーを探し始めて気がついた。
「……あれ、航空会社でターミナルが分かれてる?」
聞いたのは出発時刻だけで、乗る飛行機までは聞いていない。
「どうしよう」
余裕を持って出てきたとはいえ、この広いロビーを探し回るのは自分には無理だ。
内心焦り心細くなりかけた時、近くにいる人が携帯で話し始めた。
「あ……」
そうだ、手塚先輩に連絡すればいいんだと、やっと気がついた。
『高寺か、どうした?』
先輩の声が耳に入るとほっとした。
「それが、どちらに行けばいいのかわからなくて」
『それなら第一旅客ターミナルの南ウイングだ』
「第一ですね、わかりました。すぐ伺い……」
『いや、俺がそちらに行こう。どこにいる?』
「え」
『ちゃんと説明しなかった俺が悪い。待っていろ、どこだ?』
「高寺」
先輩の声が走りながら近づいて来た。
「すまない、迷わせてしまったようだな」
「いえ、大丈夫ですから気になさらないでください」
テニスでも息を乱さないような先輩なのに、少しだけそれが乱れていたように見えた。
「まだ時間があるから、よければショップでも一緒に見ないか?」
「いいんですか?」
「ああ、構わない」
先輩を見送ってからのんびり見て歩く予定だったけれど、それはまた後でいいと思い誘いに乗ることにした。