125キロの加速 ナツのオトメ5
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「不二、海堂、桃城、乗りな」
「え?」
ボーリング場の駐車場で、車のドアを開けた先生は先輩達三人にそう言った。
「関東大会は始まったばかりだ。初戦突破したとはいえ、戦力を欠くわけにはいかないからね。お前たち三人は早く帰ってきちんと休むように」
「あ、先生。俺チャリで越前と来てるんで、まんまチャリで帰ります」
「大丈夫かい?」
「平気っすよ、もう復活してますんで」
ちょっと眉を寄せた竜崎先生に、桃城先輩は頭を笑顔全開で下げた。
「よっしゃ、帰るぜ越前!」
「え、ちょっと待って下さいよ、桃先輩!」
「それじゃ!」
「まったね~海堂、おチビ」
リョーマくんが、あわてふためくような表情でこちらを見た気がする。でも、桃城先輩は颯爽とリョーマくんを自転車の後ろに乗せると、あっという間に行ってしまった。
一方、自分で帰れると言う不二先輩を、心配した大石先輩や手塚先輩達がやや強引に竜崎先生の車に押し込んだ、ように見えた。
(海堂先輩は目が虚ろだったけど、不二先輩は回復してたみたい)
でも、うん。全国を賭けてるんだから、大事をとらないとね。
「高寺」
「はい」
「送ろう」
掛けられた声に我にかえり辺りを見回せば、いつの間にか手塚先輩しか残っていなかった。
「え、あれ?」
あたしはもう一度駐車場をぐるりと見回した。
もう竜崎先生の車も、先輩達も誰一人いない。
「え、手塚先輩こそ先生に送って貰うべきでは……」
ないのですか、と言おうとしたあたしに
「少し話しをしたいんだが、時間は大丈夫だろうか?」
そう手塚先輩は切り出した。