125キロの加速 ナツのオトメ5
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「いやいやいや、乾ってばダメだってば!」
菊丸先輩が激しく首を振り、あたしの代わりに先輩を止めてくれようとした。でもそれはあっさり押しのけられ、さあどうぞ、と言わんばかりにキャップの開けられたボトルが、ズイっと目の前に差し出された。
「さあ、七星ちゃん」
「え……と」
「ぜひ君の感想を聞かせて欲しいな」
乾先輩の眼鏡のレンズが期待に満ちて光ってる。
青酢って、さっき言ってたから、これはかなり酸っぱいものなのかなと、ボトルの色を窺いながら思う。
でも、
(黒酢やリンゴ酢は時々家でも飲むことあるから大丈夫だけど……)
不二先輩が倒れるレベルってことは、いつもの乾汁にただお酢を混ぜただけで、味は未調整ってことなんだろうな。
「あ、七星ちゃん。僕はねちょっとお酢が苦手なんだ。だから、もし七星ちゃんもダメならやめて? わざわざ苦手なもの飲む必要ないから」
そうやんわり言って、あたしの前に手を出し、ボトルを遮ってくれた。
「あ、おい英二。どうしたんだ? 海堂達の口直し用のドリンクはまだか?」
「あっ、いっけね、それ買いに来たんじゃん!」
急ぎ足で駆けつけた大石先輩がそう言うと、あわてた菊丸先輩が振り向きざま小銭を自販機に投げ込んだ。
「さて、桃城達も落ち着いたようだしボーリング大会はお開きとするかね」
顧問の竜崎先生の言葉を合図に、先輩達が揃ってボーリング場を出る。
必然的にと言うか、あたしとリョーマくんの一年生同士が何となく並んだ。
「来てたんだ」
「うん、ちょっとした流れで何となく」
跡部さんや幸村さんのことは全部省いて、思い切りいい加減な説明をした。