125キロの加速 ナツのオトメ2*
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「─!」
手塚が不二の横顔を凝視した。
「ふふ…これだけは言っておこうと思ってさ」
しかし、手塚を見るわけでもなく、不二は空に視線を向けた。
「空の蒼さが違うよね。ここにいると、ついつい雲を見てしまうよ」
両手をベンチにつき、体を反らせるようにして、暮色に染まり始めた雲を見つめる。
手塚も薄蒼くボヤけていく稜線を見つめながら、
「…俺も渡す気はない」
つぶやくように言った。
不二が手塚の横顔を見て微笑んだ。
「その言葉…聞きたかった。君は何も言わなすぎるからね」
不二は立ち上がった。
「後は、彼女の気持ちだけど…ふふ…これが一番の難問だよね。他に狙ってる奴も大勢いるし、気を抜いたら奪われてしまうよ」
じゃ…と言うと不二は手塚を残し、先に宿舎に戻った。
2日目の夜は─
テニス部と天文同好会でゲーム大会をした。
「1番!菊丸英二上がり~!」
嬉しそうに手を挙げる。
「2番!河村バーニングいきまっす」
「3番」
「4番」
次々上がる中、ついに手塚先輩とあたしが最後まで残ってしまった。
「あーっっ!!」
悲鳴を上げたのは、なぜか菊丸先輩だった。
「手塚代わって!」
「…何の話だ…? 一体何を代われと言うのだ…?」
「…罰ゲーム…俺が考えた『二人で肝試し』…」
情けなさそうに、手塚を見上げ、同情を引くような眼差しで訴える。
「…敗けは敗けだ。潔く罰ゲームでも何でもするさ」
「手塚ぁ~」
菊丸の申し出はあっさり却下されてしまった。