125キロの加速 ナツのオトメ5
空欄の場合は夢小説設定になります
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あれ、来てくれたんだ」
ボーリング場に入ってすぐ、自販機前のベンチにいた不二先輩があたしに気がついた。
でも、あれっと思うのはあたしのほうだ。
「不二先輩が乾汁で具合を悪くされて倒れたって、菊丸先輩からメール頂いたんです」
「英二が?」
言いながら不二先輩を見ていたけど、それほど具合が悪そうには思えない感じがする。そう思って首をかしげた。
それが不二先輩にも伝わったらしく、
「英二ってば早とちりだね。確かに僕にしては、乾汁にやられてしまうなんて不覚だけれど、具合が悪くなったのは本当だよ、七星ちゃん」
と、いつにない弱々しい微笑みを向けられた。
「あ! 七星ちゃんだ! 来てくれたんだ、嬉しいにゃ~」
「うん? 七星ちゃんもいるのかい?」
菊丸先輩が顔を覗かせると、なぜか乾先輩も一緒に来ている。
「あれ、英二。もうゲームは終わったの?」
「うん、何とか僅差で桃チームに勝ったよ」
「英二はよほど俺の新作がお気に召さないらしい」
「あったり前だって! 不二も倒れる乾汁なんて、もう誰も生存出来ないレベルの代物じゃんか~」
ほっとした表情から、一点して口をとがらせた菊丸先輩は乾先輩を睨みつけてるけど、乾先輩は我関ぜずって感じで、むしろ面白がってる。
負けたチームは罰ゲームで乾汁なら、みんな必死にボーリングしたんだろうなと思う。それを考えると気の毒な気もするけど、少しだけ笑える。
「七星ちゃんならどうだろう」
「え」
「不二も沈んだ青酢。イケるかい?」
いきなりお鉢が回ってきた。