125キロの加速 ナツのオトメ5
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(あれ、今シングルス1が終わったんだよね……)
確か、河村先輩の試合がノーゲームになったから……2対2で引き分けだけど、勝敗はどうするんだろう?
でも、野球でも引き分けはあるし、テニスもそうなんだろな、とざわめきが残る会場でのん気にそう思った。
その時、また膝上で携帯の振動が響いた。
《試合は両校の控えの選手同士で決められる》
(え……)
柳さんからのメールだった。
思わず柳さんと携帯の画面を交互に眺めてしまう。あたしは疑問を何も口にしていないのに、なぜわかったんだろう。盛大な疑問符を頭に乗せて、柳さんが座る立海の人達のところを凝視してしまった。
《なぜわかったのかと言いたいのだろう? 答えは簡単だ。目は口ほどに物を言い、と言うだろ? 顔に出ていた。それに高寺はテニスのルールを把握していない》
柳さんが、笑った気がした。
(あたし、そんなに表情に出してたのか……)
《ついでにもうひとつ。控えの選手は青学は越前、氷帝は日吉だ》
両手で自分の頬を押さえたら、さらに回答が来た。こちらは一度もメールしていないのに、だ。
凄いんだな、柳さんて。
でも、すべて見透かされてしまうことになるから……。
《俺は別に怖くはないぞ》
ほら……ね。
取りあえず、お礼のメッセージを送った。
《どういたしまして》の後は携帯も静かになった。
やがて、柳さんの言った通りリョーマくんと日吉さんが出てきた。
この試合でどちらが次へ進むか決まってしまう。
どちらも三年生じゃない。プレッシャーは相当あるだろうな、と思ったけど、リョーマくんを見る限り微塵もそんな風情は感じられない。