125キロの加速 ナツのオトメ5
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シンとした病室内で、思わず幸村さんと顔を見合わせてしまった。
「まったく赤也にブン太は……」
ため息混じりに幸村さんが苦笑すると
「何度もごめんね、七星さん」
と、また謝ってくれる。
「いえ、こちらこそ……」
あたしが言いかけるのと同時に、ドアがノックされ看護師さんが顔を覗かせた。
「幸村くん、準備いいかな? 検査の時間だけど……」
「え……?」
「あれ? 忘れてた? 今日検査があるからって昨日も言ったでしょ?」
笑う看護師さんの言葉に、幸村さんがあわててサイドテーブルの卓上カレンダーを手に取った。
「……忘れてた……」
数字に丸がつけられているカレンダーを戻すと、幸村さんが焦ったようにつぶやいた。
何だかしょげたように見える。
「ごめんね、七星さん」
看護師さんと部屋を出る幸村さんがもう一度困ったように謝るから、あたしはそんなことは何でもないという気持ちを込めて笑顔を向けた。