125キロの加速 ナツのオトメ5
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丸井さんの言葉に、試合が長引いたのかな、と思った。
『アクロバティック同士なら体力の削り合いだから、先に自滅したほうが負けだ』
淡々と丸井さんが言う。
あの試合会場が頭をよぎる。始まったばかりだったダブルス。菊丸先輩も向日さんも元気いっぱいだった。
『では、ここからは私、柳生の担当とさせて頂きます』
丁寧な言葉と共に、丸井さんから柳生さんの声に変わった。
「あ、よろしくお願いします、柳生さん」
あわてたせいか、携帯に向かって深くお辞儀をしてしまった。
「ふふ」
幸村さんが笑った。
『ダブルス1ですが、こちらも先ほど試合は終わりました』
「え、もうですか?」
残念、と思った時に、さっき仁王さんが言った『間に合わなかった』という言葉を思い出した。
あれはきっと『試合が終わり、実況に間に合わなかった』という意味だったのだろう、と思った。
「じゃ、今はシングルスですか?」
『ええ。なのでダブルス1の解説も手早くしてしまいましょう』
柳生さんが、眼鏡を指先で押し上げる様子が何となく浮かんだ。
『こちらも結論から申しましょう』
「はい、お願いします」
あたしはまた無意識に携帯に頭を下げた。
『ダブルス1は6ー3で氷帝の勝ちです』
スピーカーの向こうから、また氷帝コールとどよめきが流れて来た。