125キロの加速 ナツのオトメ5
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『と、仁王、ちゃんと充電しとけよ!』
不意に警告を発するような電子音が鳴り始めたかと思うと、丸井さんのあわてる声がそれに続いた。
『ああ……。そういや昨夜はいつになく電話があったぜよ』
逆に仁王さんは冷静に思い返している。
『どうせクラスの女子どもだろぃ』
あきれるような丸井さんの声と、急かすように響く電子音が重なる。
『と、ごめんっ七星ちゃん! いったん切れるけどすぐかけ直すから!』
ガサガサと何かかき回すような音に混じり、最後に長く警告音が鳴り電話は切れた。
「ごめんね、七星さん。あわただしい連中で」
ふう、と細いため息をつくと幸村さんは苦笑してあたしを見た。
「いえ、わざわざ実況して貰うんですから。嬉しいです」
これは本心だ。青学対氷帝戦の試合の流れが、会場以外でそのままダイレクトにわかるなんて思いもよらなかった。
「そう? それならよかった」
幸村さんが穏やかに笑ってくれた。
その時、もう一度幸村さんの携帯から曲が流れ始めた。
「ブン太からだ」
幸村さんはディスプレイに表示された名前を見て、着信ボタンを押した。
『お待たせ七星ちゃん。今度は俺の携帯からだ。ま、俺のは仁王と違ってフルに充電してあるから、3時間はイケるはずだぜ』
得意気に話す声に、にんまりとした笑顔にガムをふくらませ、ブイサインをする丸井さんの姿が浮かぶ。