125キロの加速 ナツのオトメ5
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「そうだね。俺も立海は勝つと思っているよ」
幸村さんも、自信たっぷりに微笑んだ。さすが、常勝校の余裕だ。
「あ、立海は不戦勝です」
「え……」
「対戦校が棄権したって、一回戦開始前にアナウンスで言ってました」
「銀華が……」
あたしの言葉に、何かを思い巡らせるかのように、幸村さんはゆるく小首をかしげた。そしてまた、あたしの方を見て今度はゆっくりまばたきをして微笑んだ。
(幸村さんて、ほんとに綺麗に笑う……)
頬の熱さが増して、赤みが深くなった気がする。
「気になるでしょう?」
「はい?」
「青学対氷帝戦」
「……」
頬のほてりが自分でも気になり、幸村さんの視線の先でもじもじと落ち着かない気持ちが高まる中、不意に聞かれた。
気持ちでは『はい』と言いたい。でも、今は幸村さんと一緒にいるのだから、その気持ちを出すわけにはいかないと思った。
「それは……気にならないと言ったら嘘になりますけど……」
「実況させよう」
「え……?」
幸村さんは携帯を手に取ると
「個室の強みだよね」
といたずらっぽく笑い、呼び出しボタンを押した。
「あ、蓮二?」
『精市か、どうした?』
幸村の耳に、関東大会の熱戦の様子がざわついた空気とともに流れて来た。
「青学対氷帝戦を実況すればいいのか?」
『ああ、頼むよ蓮二』
幸村の頼みはイコール七星の頼みだ。
それに、幸村の声の張り具合も昨日、自分が話した時とは違って軽やかで楽しげだ。
(彼女を送って正解だったな)
柳の計算は2倍にも3倍にもなって弾き出された。