125キロの加速 ナツのオトメ4*
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「さぁてと、次は俺達の番だね」
帰りのバスの中で、山吹の千石清純は大きく両手を伸ばすと頭の後ろに組み、その腕を枕に深く椅子にもたれて言った。
千石の明るい様子に比べ、窓の外は未だに雨が強く叩きつけ、視界も悪い。氷帝側が用意してくれたバスの天井にもバラバラと雨がぶつかる音がやまずに続く。
「けど、残念だったな。もうちょっとで七星ちゃんを送れるところだったのに、とんだ邪魔が入ったよ」
氷帝の忍足がさり気に割って入ったことを思い出し、千石の明るかった表情がわずかに陰った。
「それはまぁ…仕方ないんじゃないですか。千石さんは表現方法があからさまですからね。反感も出るでしょう」
千石の隣りの座席で室町が、手元の雑誌を繰りながら何事もなかったかのように言った。
「こそこそする方がおかしいと思うけどな。好きなら好きで迫るべきだよ、うん」
「…誰しもが迫られて嬉しいわけじゃありませんよ」
チロリ…と室町はそのサングラス越しに千石を見た。
「ふーん、室町くんの恋愛指南、今度聞かせてよ」
「…そんなのありませんよ。千石さんじゃあるまいし」
「俺は本能のなすがままだって。ピピッと来た娘に一直線さ」
「はいはい」
うるさそうに雑誌を閉じると、室町は座席によりかかり目を閉じた。