125キロの加速 ナツのオトメ4*
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「七星ちゃんが『あなたは素晴らしい』やなんて、言うたん跡部だけやないん…? 青学の誰かて言われてへんよ」
ため息混じりに忍足は続けた。
「幸村かてそやろ」
「…たまたま赤いひまわりを見たからだろ。あいつの思い出だ…」
屋敷に戻り、長い廊下を歩きながらも二人の話は続く。
「ちゃうな…七星ちゃんは人に配慮する子や。周りに何人かいたら、特定の相手にだけ賞讃はせぇへんよ」
「………」
跡部の足が止まる。
七星との色々な場面を思い返してみるが、確証には至らない。
「跡部さん?」
いつまでも戻らない二人に痺(しび)れを切らせたのか、先ほどいた居間のドアから七星が顔を覗かせた。
「景吾様、お申しつけのデザート用のケーキをお嬢様にお持ち致しました」
メイドもケーキの入った箱を手にドアの前に現われた。
「あ…と、よし二人を送ってくれ」
急いで思考を断ち切り、頭を冷静な方向へと向ける。
本来なら忍足と二人になどさせるはずではなかったが、跡部は送る車には乗り込まず一人居間に残った。そしてすぐに外へと向けた足は、知らず早足になる。動揺しているわけではない。何度も自分に言い聞かせる。