125キロの加速 ナツのオトメ4*
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「ふぁー暑かったな。外の方が涼しいわ」
大きく息を吐いて髪をかき上げる忍足に続いて、七星も外へ出るとハンカチで汗を拭(ぬぐ)う。
「あ…」
温室を出た七星の目に一輪の花が映った。
「どうした?」
跡部と忍足も振り返る。が、振り返った時には、すぐ後ろにいた七星はあっと言う間に、数メートル離れた花の元へと駆け出した後だった。
「速いな」
小さく笑うと跡部と忍足も七星へと足を向ける。
「跡部さん、これ…」
それは一輪と呼ぶには大きな…赤いひまわりだった。
「へ…え…これ赤いけどひまわりなんか?」
「そうみてぇだな…しかし、植えた覚えはねぇぞ?」
跡部も首をかしげる。
赤いひまわりなどと言う珍しいものを植えたなら、必ず執事か使用人の誰かの口から話題になる。
「…鳥が種を運んで来たのかも」
七星がひまわりを見つめながら言った。
確かに他の花々は管理された場所にきっちりと咲いているが、この赤いひまわりは庭の片隅の芝生から直にポツリと一輪だけ咲いている。
「欲しいのか?」
じっと見つめる七星に跡部が言った。