125キロの加速 ナツのオトメ4*
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外に出ると、雨はほんのわずかだけ降ってはいたが、間もなく上がるだろうという明るさの空になっていた。
ただ、夏の雨上がり特有の蒸し暑さがじわじわと素肌に感じる。蝉の声も庭園の隅から聞こえる。
「雨は上がりきってへんけど、陽が差して来たわ」
忍足が片手を額に当てひさしを作ると、薄日が差し始めてまぶしくなった空を見上げた。その日差しは目の前の温室のガラスに反射し、キラキラと雨の雫が宝石のように輝く。
「…わぁ…ほんとに立派な温室ですね」
植物園は小学生の時に社会科見学で行ったことがある。
そこで見たのと変わらないくらいに大きな物だ。
冬に来たら暖かいだろうな…と思うくらい、真夏な今は熱帯地方のジャングル気分だ。
でも、日本と言う国はこんなにも小さな面積しかないのに、世界中の気候が集まった珍しい国なんだと聞いたことがある。四季があり、乾季も雨季もあり、熱帯気候に寒冷地…ひと晩で1メートルも雪が積もるなんて、北欧の人でも驚くと言う。
そんなことを考えながら、熱帯植物を見上げたり
「なぁ跡部。ここ池作って、ワニでも放し飼いにしたらリアルでええんやない? 跡部ワニ園で入園料取れるやん」
「バーカ」
なんて話で笑ったりした。