125キロの加速 ナツのオトメ4*
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通された居間も豪華な中にも落ち着いた雰囲気があり、座り心地のよいソファに身体がなじんだ頃、普段着に着替えた跡部さんとお茶を運んで来たメイドさんが部屋に入って来た。
「待たせたな」
そう言いながら跡部さんが、あたしと忍足さんが座るソファの向かい側に座ると、温かい紅茶がそれぞれの前に置かれた。
(…でも、ほんとは跡部さんの所に来る用事は何もないのよね…)
温かく甘い紅茶をひと口飲むと、カップを手にしたままあたしは窓から広い庭に目をやった。
雨はやんだのだろうか。
目立つ滴は見えない。
庭と外界を区切る立ち木までがかなり距離感があり、芝生と手入れの行き届いた花壇が外国のお城の庭園を彷彿(ほうふつ)とさせる。
「何を見ている」
跡部さんに言われ、ついぼんやりとしていたあたしは急いでカップをテーブルの受け皿に置くと、跡部さんの顔を見た。
「あ、綺麗な庭だから…」
我ながらとってつけたような感想…。でも、真正面にいる跡部さんに何を話せばいいんだか…。
「見るか? 雨もかなり小降りになったし、温室もあるんだぜ」
「温室ですか?」
「そや、ちょっとした植物園みたいやで」
植物園…忍足さんの言葉で興味が湧いた。