125キロの加速 ナツのオトメ4*
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七星の顔色の変化を、向かい側のシートから目ざとく見分けた跡部が、探るような口振りで話しかける。
「あ、だってこれならあまりお邪魔せずに、すぐに帰れますから」
窓から跡部に視線を移した時には、リムジンは迎えが出ている玄関口へと滑り込んでいた。
(…凄い…)
門から邸宅の広さや大きさに驚いたが、何人ものメイドや執事が出迎え、うやうやしく跡部に頭を下げる様子を間近に見て世界が違うと思った。
噂には聞いていた。跡部邸はお城だと。
(確かにお城だ…まるで迎賓館みたい…)
贅を凝らした玄関ホールを抜けてふかふかの絨毯の上を歩く。
(あ、足が気持ちいいんですけど…)
一歩踏みしめるたびに足裏に当たる絨毯の深い感触。ついつい下を見て歩いてしまう。
「そないに下向いてても何も落ちてへんよ」
七星の隣を歩く忍足の声が笑う。
「いえ、あの…絨毯が気持ちいいから、その…」
しどろもどろになりつつ、視線を上げ横目で忍足を見た。
(忍足さんは来慣れてるんだ…)
広い廊下の左右に掛かっている絵画や所々に置かれた骨董美術品には目もくれず、ゆったりと歩く忍足を見て七星はそう思った。