125キロの加速 ナツのオトメ4*
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「…え、あ、ああ、わかった。こっちだ、来な」
忍足に指図され、跡部としては内心面白くはない。七星の選択肢を決めるのは自分のはずだ。この俺様だ。なのに、いともあっさりと、忍足に決められた。鮮やか…という表現を加えてもおかしくないくらいに…。
しかし、お陰でその場で牽制し合っていたメンバー達からも、一気に緊迫した空気が消えた。
ただ、跡部と忍足に挟まれて体育館から出て行く七星の後ろ姿を、悔しさの灯る眼差しで見送るだけだった。
「あ…あの…っ、忍足さん」
「ん?」
「こないだの委員会って…あたし、いつ氷帝に来たんでしょうか?」
少し早足で、二人に遅れまいと歩く七星は、先ほどからの疑問を口にして、やや焦りながら忍足を見上げた。
「来てへんよ」
ケロリとした表情で忍足は、ゆるやかに歩を進め前方を見つめたまま答えた。
「…な、てめ忍足、じゃ忘れ物って…」
「来てへんのやから、するわけあらへんな?」
呆れたような顔で思わず立ち止まった跡部にニヤリ…と笑った。
「嘘も方便、言うやろ?」