125キロの加速 ナツのオトメ2*
空欄の場合は夢小説設定になります
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「…思わぬ伏兵ですか?越前リョーマは」
チラリ…と幸村に視線を向けると、柳生はラケットを手にした。
「…少しね」
何度も頭を下げながら、仁王の自転車に乗せてもらう七星の姿を目で追いながら、幸村は答えた。
二人と自転車は、すぐ木立ちに紛れて見えなくなった。
「青学の練習試合…越前リョーマに誰を当てるつもりですか?」
柳生は、グリップをギュギュッ…と数回握り込む。
「…青学メンバーは全員潰す気でいかないとダメだろうな」
つぶやくように幸村は言う。
「それが勝負というものですよ」
言いつつ柳生は、コートに向かった。
「……真田副部長…。何で、『歩』しかない相手に負けるんすか?」
未だにベンチの盤面を、腕組みしたまま見続けて考え込む真田に、切原は尋ねた。
「…いや、それが…『歩』が、さざ波のように攻め寄せるんだ。俺は…将棋で初めて相手を怖いと思った…。凄い奴だ」
盤面を凝視したまま、真田は言った。
「ありがとうございました」
ペンションの前であたしは、送ってくれた仁王さんに深々とお辞儀をした。
「気にすることはなかよ。また明日来るけぇ、じゃな」
それだけ言うと、仁王さんは勢いよくペダルを踏み込み、あっと言う間に去って行った。