125キロの加速 ナツのオトメ2*
空欄の場合は夢小説設定になります
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「幸村さん、お約束の時間より早いんですが、あたし帰ります」
柳生さんと話をしていた幸村さんの背中に、声をかけた。
「…真田はもうやられたの?」
振り向くと、おかしそうに幸村さんは笑って、あたしに聞いた。
「…真田くんはそんなに弱いんですか?」
柳生さんが眼鏡を持ち上げながら、ベンチの真田さんとあたしを交互に見比べた。
「いえ、真田さんは結構上級クラスですよ。ただ─」
「ただ─?」
柳生さんの視線があたしに止まった。
「あたしが強いんです」
にこ…と二人に笑いかけてお辞儀をした。
「明日は時間あるかな?」
「ええ、午前中は来られます。午後は青学の方を見ないと…怒られちゃいますから」
幸村さんに聞かれ…ちょっと笑って、あたしは答えた。
「怒る…?─不二が?」
少し考えて幸村さんは言った。
「いえ、リョーマくんです。昨日も『顔忘れるから見に来い』って言われたばかりなんです」
(越前リョーマ…なぜ彼が…)
「それじゃまた明日、お伺い致します」
もう一度お辞儀をしてコートから出ると、
「送るけぇ、乗りんしゃい」
仁王さんが、自転車と一緒に待っていた。