125キロの加速 ナツのオトメ4*
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「水を差されてしもたな」
「まぁな…」
氷帝側の控室廊下からも、跡部と忍足がしのつく雨をじっと見つめていた。やむ気配はまったく感じられない。むしろ二人が見つめれば見つめるほど、激しさを増すようだ。
「偶然なんかな」
「…何がだ?」
壁に寄りかかり雨を見ていた跡部が、同じように向かい側の壁に腕を組み、寄りかかっていた忍足に顔を向けた。
「前回、青学対立海の練習試合。あれも暑過ぎてぶっ倒れる人間続出やったろ」
「あぁ…そうだったな」
跡部の脳裏に、あの時触れた七星の汗ばんだ肌を思い出させた。
「結局、あの試合はまんま中止になってしもた」
「仕方ねぇさ。あの日の暑さは今夏(こんか)最高ってヤツだったし、故障者を出したまま続けても意味ねぇからな」
跡部は忍足から目線を外すと、再びコートへと戻した。
「まるで七星ちゃんが観てる前では、勝敗つけたらアカンみたいやね」
忍足も、軒先から滴(したた)る滴(しずく)を眺めながら薄く笑った。