125キロの加速 ナツのオトメ4*
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「リョーマく…」
スタンドに駆け上がり、こちらに向かって全速力で走るリョーマくんの姿を見た。でも、立ち上がりかけて名前を全部を言い終わらないうちにカッ…と辺り一面が光った。
「─…ッ!」
次の雷鳴が来る、と思わずもう一度耳を塞ぎしゃがみ込むと同時に、お腹の底に響くような凄まじい大音響が轟き渡りスタンドまでをも震わす。
こんなに物凄い音、絶対近くに落ちてる。
また光った。
次の落雷の前に暖かいものがあたしを包み込んだ。
(…え)
目の前広がる、見慣れた青と白に彩られた青学ジャージが着ている本人の荒い息に合わせて波を打つ。
「リョ…」
「バッカ…こんなとこにいつまでもいるな! もし雷が落ちたらおダブツだろ!」
怒鳴られたのと恥ずかしさから、あわててリョーマくんから離れようと体を反らせたとたん、かえって肩から抱き寄せられてしまった。
「リョ…」
「心配させんな…そら、行くぞ」
ほんのちょっと腕に力を入れると、リョーマくんはあたしの腕を引っ張り立ち上がった。
「…速いね越前」
不二先輩が、リョーマくんの後ろから声をかけて来た。
ポツ…とスタンドの床に雨粒がぶつかる。
「鍛えてますんでね」
不二先輩に振り向きながらリョーマくんが答えた。