125キロの加速 ナツのオトメ4*
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(…雷…?)
もう一度耳を澄ます。少しの間を置き遠雷が届いた。間違いない。
「先生、今雷が鳴りませんでしたか?」
榊の方に顔を向けると、榊も椅子の背もたれから身体を起こし何かに注意を向けているところだった。
「…あぁ、そうだな。鳴っている」
近づきつつある遠雷の確認を終えると榊はゆっくりと立ち上がり、真夏の空を仰いだ。
わずかに涼風を肌に感じる。
(…雨になる…?)
傘がない…でも夕立かな…。少し不安げな表情を浮かべ七星は空模様とコートの選手達を見比べる。
榊は何かの決断を下したかのように、空から視線を戻すとスタンドからコートに足を向けた。
スタンドを降りる榊の背中をぼんやり見ていた七星の耳に、今度はハッキリと雷の音が聞こえた。
観戦中の他校生や、試合を終えた選手達も一斉に空を見上げた。
さっきまでの青空に薄暗い曇り空が混じり始めている。
その時、
一気に近づいた雷が突然大音響で鳴り響いた。空気までもがビリビリと振動する。
「きゃっ!」
あまりの突然の音にびっくりして思わず耳を塞ぎしゃがみ込んでしまった。
「大丈夫か、七星!」