125キロの加速 ナツのオトメ4*
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「…なんや、そやったんか…」
手の大きさを比べる…わかってみればごく些細なことだ。が、しかし一教師が他校の女子生徒の手を握る…よろしくないではないか。非常にマズい。もし新聞ネタにでもされて大会出場が取り消しになったらどうする…などと榊相手に今ひとつ強気で口に出せないまま、思いが渦巻く中
「ならもう手は離してもいいわけですよね」
すっと宍戸がテーブルに近づくと、腕相撲の審判のように二人の腕を取りサッと握られていた手を引き離した。
「それからこれ」
「え…」
宍戸は、監督の榊の腕はさっさと離したものの、七星の手首は離さなかった。
「俺があいつに突っ返してやるよ。迷惑だろ?」
七星の左手首に再び収まっていた、木更津亮から預けられた腕時計を宍戸はやや強引に、その腕時計には不似合いな華奢な手首から外した。
「あ…すみません、助かります」
慌てて椅子から立ち上がると、安堵の表情を浮かべ嬉しそうな笑顔で宍戸に向かってお礼を言う七星に、本当に困っていたんだな、と思わせられた。
「や、いいって。あいつちょっと強引だったもんな」
まんざらでもない、照れくさそうな笑顔を宍戸は返した。
(………)
ただ黙って後方から成り行きを見ていた跡部だったが、なぜか妙に心がイラついた。理由はわからない。
ただ、七星に礼を言われ嬉しそうな顔をする宍戸に腹が立った。
それだけだ。
だが、それが面白くなかった。