125キロの加速 ナツのオトメ4*
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「つまりは、だ」
榊を取り巻くレギュラー陣の厳しい視線も、榊からすれば所詮はただの子供。教え子の中学生から睨まれたところで痛くも痒くもない。
「リストは手が大きかったということだ」
飄々とした表情で榊は答える。辺りは真夏の太陽の照り返しで、うんざりするほどの暑さだ。なのに榊の周りだけは天然のクーラーが稼働しているかのように涼しげな面持ちで話していく。
「天は二物を与えたのだな。あの手があればこそ、あの難曲の数々も生み出されたわけだ」
「…あの…監督」
「…話が…」
「見えへんのやけど…」
一人悦に入る榊から置いて行かれた感じの宍戸達は、相変わらず七星の手を握り続ける姿にイラつきは頂点に達しようとしていた。
一方七星はいつまでも手を握られ、汗ばむやら見られて恥ずかしいやらで、一刻も早く手を自由にしようとかなり焦り始めていた。
「つまりっ…先生の手がリストの手と同じ大きさだっておっしゃるものだから、大きさを比べてたんです! あたし…凄く手が小さくてオクターブ届かないくらいだから…」
息を吸い込むと、後ろに首を回し、宍戸達に一気にまくし立て、この現状を説明した。