125キロの加速 ナツのオトメ4*
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「ほぅ…? 」
七星の前に立ち、自分を睨むようにいつもとは違ってまともな意見を言う宍戸に対し
「たかだか練習試合で、この私が汗水垂らして指揮を取らねばならないのかね?」
真夏の陽炎(かげろう)のようにゆらりと立ち上がると、榊はいつものスタイルで宍戸に指を差して言った。
「行ってよし」
「……ッ…!」
悔しいが、榊にそのセリフを吐かれてしまうと先がない。おとなしく従うしかない己れに歯痒さを感じてしまうが、宍戸にはそれ以上監督に向けて言う言葉が見つからなかった。
「跡部、早よ始めな。200人こなさなアカンねんで?」
宍戸の沈黙に何か言いかけようと一歩踏み出した跡部に、すかさず忍足が肩を叩いて止めた。
「…ちっ。仕方ねぇ」
氷帝テニス部長としての威厳。公衆の面前で私情を交えることは出来ない。後ろ髪を引かれる思いで七星に言った。
「とにかくお前はここにいろ。チョロチョロと動き回るんじゃねぇぞ、いいな?」
ここなら常に自分の視界に七星が入る。一緒に監督の榊までもが目に入るのは気に食わないが、榊は大人だ。問題外と見ていいだろう。
「始めるぞ、宍戸」
コートに出向くため、跡部が宍戸に声をかけるとくるりと踵を返し、さっきのお返しとでも言わんばかりに、忍足の横を通り過ぎながら言った。
「お前もだ、忍足」