125キロの加速 ナツのオトメ4*
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「…あの…?」
返した腕時計をまた手のひらに戻されてしまったので、あたしはわけがわからず、木更津亮さんの顔をまじまじと見つめてしまった。
「持っててくれる? 俺、君に時間聞くから」
木更津亮さんは、何だか悪戯っぽく笑うと、手のひらに時計を握り込ませるようにしてあたしの右手を丸ごと自分の手で包んだ。
「…待てや、木更津」
七星が木更津亮に手を握り込まれて焦りまくる中、忍足が剣呑(けんのん)な目つきで木更津亮に言い始めた。
「自分、いちいち七星ちゃんに時間聞かへんかて、携帯くらいあるやろ? なくても六角の連中が居てるんやし、問題ないやろ?」
半分脅すような感じである。
「違うな。生憎俺は今日の時間を聞きたいわけじゃないんだ。これから先の時間を君に聞きに行く…ってことさ」
ニヤ…と木更津も挑戦的に忍足に笑うと、七星には優しい眼差しを落とし、
「だから、持ってて」
「…待てや、木更津。自分千葉くんだりから、わざわざ電車賃使て、時間聞きに来るんか? 丸っきりアホやな」
七星の頭上で毒舌合戦が始まってしまった。