125キロの加速 ナツのオトメ2*
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メンバーの紹介が終わりもう一度ベンチに座ると、さっきのガム少年が近づいて来て言った。
「ガムサンキュー。持ってたのに驚いて、自己紹介しそびれたけど、名前はこないだ言ったよな。覚えてる?」
「あ、はい、丸井さん…でしたよね。先日は…」
あたしもベンチから立ち上がると、改めてお辞儀をした。そしてまた、あの時の幸村さんの指先が頬に触れた感触も思い出した。
「さっきも言いましたけど、あたしはガムを常備してませんから、在庫切れは注意して下さいね」
熱くなりそうな頬の記憶を振り払うように、丸井さんに笑って言った。
「だから、賭けるんだ」
「…え?」
「何でもねって、せっかくだから、俺の天才的妙技たっぷり見て帰れよ」
丸井さんは悪戯っぽく笑うと、手を振って行ってしまった。
「あれ~何すか、もっと彼女に接近しないんすか~?」
へらへらと笑いながら丸井に近寄る切原。
「ん~…」
ブン太はラケットの準備をしながら、ガムをふくらませる。
「次だよ。3度めの正直。もし次に偶然会った時にガムを持ってたら…」
「持ってたら?」
切原が重ねて聞く。
「幸村くんから貰う」
ラケットを2、3度振ると丸井はコートに出た。
(ふ~ん、一応偶然の賭けにして、遠慮はしてたわけね。ま、そりゃ、あの幸村部長の彼女だから…簡単に横取り出来るわけねーし)
面白そうに丸井、幸村、そして七星…に視線を移動する切原の目は、好奇心でたっぷりと輝いていた。