125キロの加速 ナツのオトメ4*
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「じゃ赤澤、後は頼みましたよ?」
「ああ、ちゃんとレギュラーの試合結果と躍進しそうな選手はチェック入れとくよ」
心配顔で観月は、一人寮生ではない部長赤澤に試合の観戦を頼むと、ノートとペンケースを押しつけ他のメンバーと今来た道をあわただしく引き返し始めた。
「じゃね、七星。ちゃんと僕を観ててね」
不二先輩が柔らかく微笑むと、あたしの頬に触れてから手を振って、選手の控室に足早に向かって行った。
「……!」
その時のあたしは、多分首をすくめてしまったと思う。
「…じゃな」
不二先輩の背中をボンヤリ…と見ていたら、リョーマくんもあたしを追い越しながら小さくつぶやいた。
「あ、うん…頑張って…」
ね…と言いかけたあたしの言葉は途切れ、
「俺から離れるな…」
囁くように耳元で話すリョーマくんにゆるく抱きしめられ、宙に浮いた。
「リョ…」
ようやく言葉が口から出た時には、リョーマくんも控室に駆けて行くところだった。