125キロの加速 ナツのオトメ4*
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「ああ、またな」
木更津弟も兄に手を振る。
「はい? …え? 何でまたこんな時に…? …わかりました。すぐに戻ります…。ったく…」
軽く舌打ちをすると、観月はため息と一緒にどこからかかかってきた携帯をたたみポケットにしまった。
「ルドルフ学生寮にお住まいの諸兄」
観月は立ち止まると、前を行く同校テニス部のメンバーにひと声かけた。
「あ?」
「何だね?」
「何ですか?」
「どした?」
メンバーも一斉に立ち止まり振り向く。
「…寮で配電板がショートして現在大停電中だそうですよ。寮母さんからの電話で至急帰れとのことです」
「え? それくらいで帰る必要なんてあるのか?」
木更津淳が首をひねる。
「電気屋さんも夏休みで、出勤してる人が少なくて、皆さん出払ってて復旧のめどが立たないそうですよ?」
「ふぅん…」
「けどなぁ…電気がつかなくて困る…って…あーっ!」
「どうした? 柳沢…」
「木更津、まずい! 部屋の小型冷蔵庫…アイス…溶けるだーね」
「うぉっ…この暑さにエアコンも動かね…ってことか…」
淡々とした観月の説明に、帰る必要性を見い出せずにいた寮生達も、じわじわと焦りが出て来た。