125キロの加速 ナツのオトメ2*
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「可愛いらしい外見にそぐわず、勝利へのこだわりが凄いですね」
眼鏡の奥から、目が微笑っている。
「別に外見で碁や将棋はしませんから」
あたしは、少し肩をすくめて言った。
「仁王雅治じゃ」
柳生さんの隣の人が言った。
「あ、よろしくお願いします」
あわてて柳生さんから視線を移して、お辞儀をした。
「勝負は駆け引き…なかなか面白いこと考えそうじゃな」
仁王さんも、ちょっと笑った。
「ねぇ、ガム持ってねぇ?」
仁王さんの隣にいる人が、噛んでいるガムをふくらませながら言ったので
「どうぞ」
あたしは、出掛けに持ち出した未開封のガムを差し出した。
「…持ってた」
あの日のガム少年は、手のひらのガムを目を見開いて見つめた。
「次は持ってるとは限りませんから在庫の確認は、忘れずにして下さいね」
あたしは、にこ…っと笑いかけた。
「ジャッカル桑原だ」
ガム少年の隣の人が声をかけてきた。しなやかな黒ヒョウを連想させる。目は穏やかだ。
「よろしくお願いします」
またお辞儀をした。
「切原赤也。2年だよ、よろしく」
前列最後の人がひょうきんそうに笑って言った。
「あ、はい、こちらこそ」
これがレギュラーの人達なのかな…。
あたしは取りあえずホッとした。