125キロの加速 ナツのオトメ4*
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「…おい観月、こんな連中とは失敬じゃないのか?」
サエさんが、さっきの屈託のない笑顔から一転し、少し醒めたような調子で言う。
「ああ、失礼。僕の大切なひとが、紹介もしていないはずのあなた方とご一緒にいたものでね、つい取り乱してしまいました」
(た…大切なひと…!? あの…観月さん? もしもし? 一体どこからそんなセリフが出て来るんですか?)
あたしは観月さんの、歯の浮くようなセリフでよろめきそうになった…。
(あわわ…観月、まずいだーね。裕太が嫉妬で黒焦げになるだーね)
佐伯相手に堂々と恋人宣言とも取れるセリフを吐く観月に対し、ピクピクと耐えるように肩を震わせ反応を起こす裕太を隣で感じる柳沢の胸中は、他人事とはいえ穏やかではない。
「ふぅん、六角も青学と氷帝の試合を観に来たってわけだな」
観月と裕太の関係に一人気を揉む柳沢とは対照的に、しごくまともなルドルフテニス部の部長、赤澤がそこにいた。
「よぉ、しばらくだな。淳」
「ああ、兄貴も変わりないのか?」
両校の微妙な友好的会話が続く中、隅の方で兄弟とは言え、久し振りに対面した兄、木更津亮と弟、木更津淳がいた。
「お前、ハチマキはしていないのか?」
「…何言ってんだよ。試合以外で年中してたら変だろ?」
「それもそうだな」
「………」
「………」
離れてしまうと、男兄弟なんてものは会話も弾まないようである。