125キロの加速 ナツのオトメ4*
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「─じゃ、そうことでいいね? 約束したよ。忘れないで?」
「──え……?」
気がついたら家の前にいた。
(─えっ…あのっ…?)
あたしは思わず周囲を見回す。
…確かに自分家の玄関前だ。
いつの間に…?
「フフ…でもよかった、七星ちゃんがOKしてくれて…。てっきり断られると思っていたから…凄く嬉しいよ。ありがとう、七星…」
ホッとした顔で嬉しそうに不二先輩が言う。
(──はっ? …あの…何がでしょう…?)
不二先輩が、今までにない…この上もなく優しい微笑みであたしを見つめると、昼間だというのに…雨が降ってるとはいえ、まだ明るいというのに…
不二先輩の顔が近づいたと思ったら…
頬に先輩の唇が触れた。
(──!!)
「じゃあね、七星ちゃん。また明日」
不二先輩は軽く手を振ると、曲がり角で姿が見えなくなるまで優しい笑顔だった。
あたしに多大な疑問を残したままで──
(あたし…不二先輩と…一体何の約束をしたの…)
知らずに、体全体から力が抜けてよろめくと、辛うじて門にもたれかかり自分を支えた。
雨はいつの間にかやんでいる。セミの声も戻って来ていた。
(あたしは…一体何をした…?)
背中に一筋、汗が流れた。
冷たい汗だ…。